税務調査の流れ

 

税務調査と聞くと、多くの経営者が嫌なイメージを思い浮かべる事でしょう。国税査察官が、脱税や不正申告を重箱の隅をつつくように細かくチェックするといったイメージを持った方も多いのではないでしょうか。しかし、実際の税務調査の流れを把握すれば、悪いイメージを軽減し、対策を練り易くなります。税務調査の流れは主に下記の3ステップです。

 

■税務調査前

税務調査は一般的に任意調査の形式で行われます。特殊なケースとして強制捜査がありますが、これは税務調査全体の1%程度に過ぎません。任意調査は税務署から事前の通知があるパターンと無いパターンの2通りがあります。事前の通知が無い税務調査の対象は、現金商売をしている会社や脱税の証拠がある会社等です。従って税務調査のほとんどが事前の通知があり、会社に電話がかかってきます。その際に調査を行う事実や調査日時、内容、期間、目的等が通知されます。都合の良い日程に調整すると、実際に税務調査がスタートします。

 

■税務調査当日

税務調査の当日になると、午前10時前後に税務調査官が会社を訪ねて来ます。自己紹介や挨拶の後、正午前後まで税務調査官による様々な質問が行われます。質問は主に売上取引や仕入れ取引の一連の流れについて、人件費や経費の支払いについて等です。経営者の人格や趣味、交際関係について質問される事もあります。質問の終了後、正午の休憩を挟み午後から再び調査が開始されます。午後は実際の帳簿のチェックが行われます。チェックは16時頃に終了し、その際問題点の指摘やさらに準備すべき資料の要請が行われます。そして2日目も10時~16時前後まで調査が行われます。終了時に調査内容の総評が行われ、会社での調査は終了となります。

 

■税務調査終了後

現地調査が終了後、税務署より調査結果が通知されます。問題が無ければ申告是認の通知のみで、調査は無事終了です。問題がある場合はその内容が指摘され、改善を反映した修正申告書を提出します。その後追徴税額を納めて、税務調査が終了となります。指摘された点に納得がいかない場合、税務署と問題点を協議します。それでも問題点があり修正申告をしない場合、税務署から更正処分が下され税額が修正されます。この処分に不服がある場合は、異議申し立てや審査請求、訴訟といった手続きを取る事が出来ます。

 

■まとめ

税務調査は一般的に事前に通知があります。都合の良い日時を指定し、資料をしっかりと準備すると良いでしょう。調査当日は会社の資金の流れや帳簿の記録がチェックされます。調査終了後に結果が通知され、問題があれば税務署と協議の上、修正申告や異議申し立て等の手続きに移ります。いずれにしても税務調査の対応や調査官・税務署との協議は素人には容易ではありません。専門の顧問税理士がいると安心して対応する事が出来るでしょう。

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